あれからちょうど10年経ちました。
こなっちゃん、貴方が生きていれば18歳。
もう本当におばあちゃんだね。
私も気づけば30歳を越え、いい加減大人になりました。
それでも貴方の話をする時は、あっという間にあの頃に戻ります。
晴れた日はワクワクしながら2人であちこち出かけたよね。
貴方は草むらへ探検に。私は河原で日向ぼっこ。
ずっとずっと、そんな時が過ぎるんだと思ってた。
貴方の笑顔を見て、幸せだって思ってた。
今でもあの日を鮮明に思い出すよ。
この時期になるとあの時と同じ空気になるし、
よく見上げた空と同じ雲が浮かんでる。
一瞬で寂しくなって、心細くなって。
ぎゅーって抱きしめたくなる。
ただただ泣いて貴方を撫で続け、一晩中抱きしめ続けたあの夜。
明日になれば貴方の肉体でさえも無くなってしまう。
そう思うと、寝られないし離れられない。
出棺する寸前まで涙を流し続け、貴方を撫で続けた。
「いやだ離れたくない」とあんなに思ったのは、
後にも先にもあの瞬間だけ。
もう2度と会えない。話さない。触れない。
10年経っても、鮮明に覚えてる。
すっかり会えなくなったけど、忘れる事なんて一度もない。
こんなにも強く、長く、私の中で生き続けてるよ。
貴方はもう私の一部。
私と共に同じ景色を見て、同じ風を感じて、同じ空を見上げよう。
私がこの世を去るまで、こなつを色んな場所へ連れてってあげるよ。
一緒に色んな場所で日向ぼっこしよう、こなつ。
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by Nothings_real-17
| 2017-10-04 20:57